テプラ ACアダプタSR6Aの互換品
職場でTEPRA PRO SR717という1995年発売の古いテプラを使っています。
このSR717は、最近の機種と比べると文字の滑らかさがいまいちだったり、JIS第一水準・IBM拡張漢字と独自絵文字しか使用できなかったり、「髙」（通称 はしご高）がなかったり、ゴムのキーボードをしっかり押さないと入力漏れになったりと、いろいろと癖があります。
ただ、まだまだ現役で使える機種ではあります。
さて、このテプラには別売りのACアダプタがあったはずなのですが、どこにも見あたりません。
そのため、いつも乾電池を6本入れて使っているのですが、これではランニングコストがよくありません。
しかしキングジムのウェブサイトによると、純正のACアダプタは2020年2月をもってSR6Aは販売終了したとのことで、後継のACアダプタも販売されておらず、流通在庫ももう無いようです。
これは困りました。
そこで代替品を探すべく、ACアダプタ SR6Aの仕様を調査しました。
SR6Aの仕様の調査
まずテプラ本体に刻まれている刻印を確認したところ、DC 9V 9W とのことでした。
次にインターネットオークションで売られている、中古の純正ACアダプタを確認しました。
ラベルを見ると製造メーカー名はバラバラでしたが、定格出力は6V 1.5A、極性はセンターマイナスでした。
あれ、本体の刻印とは電圧と電流が違いますね。
テプラ本体は9V 9W (1.0A)で、ACアダプタは6V 1.5A (9W)です。
おそらく電池の消耗による電圧低下に対応するため、電圧が6～9Vの範囲なら使えるように設計されているのでしょうね。
インターネットを検索をしてみると、別のACアダプタで代用できないか試行錯誤した方のブログを見つけました。
その方のブログによると、純正品のACアダプタは無負荷では電圧が9V近く出ているとのこと。
また、あるインターネットオークションの出品者のコメントでは、10V以上出ているという話もありました。
…え、どういうこと？
そう、無負荷で定格よりも高い電圧が出るものと言ったら、非安定化ACアダプタですね。
非安定化ACアダプタは、負荷の重さによって出力電圧が変動してしまうという特徴があります。
整流回路の原理上、負荷が軽いと定格よりも高い電圧が出てしまいます。
ということは、テプラ使用時にはACアダプタから電圧が9V近くまで出ている可能性がありますね。
また、現在主流のスイッチング方式の安定化ACアダプタと比べて、大きいトランスを使わなければいけないため重く、サイズも大きめで、価格も高めという特徴があります。
トランス式の非安定化ACアダプタはスイッチング方式の安定化ACアダプタと違って、スイッチングノイズや不要輻射が発生しづらいので、電源由来のノイズに極端に弱い電子楽器・オーディオ機器・医療機器でよく使われています。
ただ、このテプラPRO SR717が発売された1990年代は、スイッチング方式の安定化ACアダプタが、まだ広く普及していなかった時代の製品です。
トランス式の非安定化ACアダプタが採用されていても、おかしくありません。
そういった訳で純正ACアダプタは、定格 6V 1.5Aの、トランス式の非安定化ACアダプタで確定しました。
なおスイッチング方式の安定化ACアダプタは、負荷の変動があっても出力電圧が安定しているという長所があります。
スイッチングノイズや不要輻射が出やすいという欠点はありますが技術の進歩により改善されており、また価格も安いため、現在ではこちらのACアダプタが主流になっています。
次に、プラグの規格を調査します。
試しに手持ちの電子工作用のACプラグを挿してみたところ、EIAJ RC-6705（内径 2.1mm、外径5.5mm）と判明しました。
通販サイトで販売されている、自称互換品のACアダプタのプラグ形状もEIAJ RC-6705だそうなので、プラグはこれで確定です。
EIAJ RC-6705はすでに廃止された規格なのですが、いまだにこの規格を採用する機器って多いんですよね。
結論
キングジムのテプラ用ACアダプタ SR6Aの安価な互換品を探すときは、以下の条件のACアダプタを探してください。
整流方式：スイッチング方式ちなみに、手持ちの9V 1.3Aのスイッチング方式の安定化ACアダプタのプラグを付け替え、テプラに接続してみましたが、問題なく使用できました。
定格電圧：9V
定格電流：1.0A以上
プラグ形状：EIAJ RC-6705（内径 2.1mm、外径 5.5mm）
極性：センターマイナス
