更新:2020-09-19
作成:2020-08-02

ショートカットAppとは

どういったアプリなのか

Appleは、ショートカットAppのことを「タスク自動化アプリ」だと説明しています。
ただ、これだけでは説明が漠然としすぎていて、よくわかりません。
もっと具体的に、「iOS版のAutomator」・「macOSのApple Script、WindowsのPowerShellのようなもの」と説明している人もいます。
しかし現在のショートカットAppについて説明するならば、それだけでは不十分です。
iOS 12ではSiriの「Siriショートカット」の補完機能、iOS 13では「ホームオートメーション」(HomeKit)のコントローラー機能という重要な役割が追加されています。
そのため現在はタスク自動化よりも、Siriショートカットの補完・ホームオートメーションのコントローラという性質のほうが強くなっています。

特徴

前述のようにショートカットAppには、タスクの自動化機能、Siriショートカットの補完機能、ホームオートメーションのコントローラー機能の、3つの機能があります。
タスクの自動化機能については、iOSの仕様変更に伴って制約が増えてはいますが、複数のアプリを連携させてデータを処理させることができます。
よく勘違いされるのですが、デバイスの自動操作は行えません。
Siriショートカットの補完機能については、Siriと他のアプリとの間に入って、情報を加工して受け渡しする機能があります。
そのためデバイスの設定でSiriを無効にしていたり、インターネットに接続できない場合は、Siriショートカットの補完機能を使用することができません。
またSiriとは違い、文脈や類義語に応じて答えてくれる柔軟なレシピを作ることはできません。
ホームオートメーションのコントローラー機能については、手動操作や時刻・NFCタグなどをきっかけにして、鍵・電灯・エアコンのコントロールなどを行うことができます。

オブジェクト指向のビジュアルプログラミング言語を採用しており、とっつきやすい作りになっています。
ただしアクションの動作はiOSに依存する部分が多いため、高度なことをする場合はiOSの構造やフレームワークについて理解する必要があります。
またiOSの仕様や、Appleのセキュリティ・プライバシー保護の方針による機能制限があるため、できないことも多いです。

その性質上、ショートカットApp自体の機能はあまり多くはありません。
しかしIntents App Extension、もしくはAction Extension(カスタムURLスキーム)に対応した他のアプリや、Dark Sky API, Integromat, Zapier, はてなブックマーク件数取得API, 図書館APIなどのようなWeb APIを備えたサービス、ショートカットAppを補完するサードパーティ製アプリ(Charty for Shortcuts, Pushcut, Toolbox Pro for Shortcutsなど)と連携させることにより、その力を十二分に発揮することができます。

簡単なレシピの例
簡単なレシピの例

レシピの実行方法には、以下のようなものがあります。

ただ詳細なドキュメントが公開されていなかったり、アクションの動作に不具合があったり、誤訳が散見されたり、OSをマイナーバージョンアップしただけでもアクションの挙動が変わってしまうことがあるなど、いろいろ難点はあります。
しかし、デバイスの自由度を高めてくれる魅力的なアプリであることには変わりはありません。

歴史

ショートカットAppは、iPod Linuxの開発メンバーでマサチューセッツ工科大学の学生のAri Weinsteinらより、2014年11月にiPhone用のタスク自動化アプリ「Workflow」としてリリースされました。
2015年8月に行われたAppleの「Worldwide Developers Conference (WWDC 2015)」では「Apple Design Award 2015」を受賞し、12月にはApp Storeの「Best of 2015 今年のベスト」にも選出されるなど、注目のアプリになりました。
2017年3月には、AppleがWorkflow開発元のDeskConnect, Inc.を買収し、これを機にWorkflowが無料化されたことも話題になりました。
そして2018年9月のiOS 12のリリースとともに公開されたバージョン2では、アプリの名称が「ショートカット」に変更され、Siriショートカットの補完機能が追加されました。
2019年9月リリースのiOS 13とともに公開されたバージョン3では、HomeKit, NFCへの対応と、オートメーション機能が追加され、iOSに標準でインストールされるアプリになりました。