旧街道歩き旅のすすめ
旅行の楽しみ方のひとつに、昔の人々が行き交った街道をたどる旅があります。
街道沿いには、宿場町や古い建物、道標、石碑、橋など、当時の面影を残すものが点在しています。そうした場所を訪れながら、昔の道筋を自分の足でたどっていくのが、旧街道歩き旅の楽しみです。
なかでも、旧東海道は、街道歩きを始める題材としておすすめです。
日本橋から京都まで続く道沿いには多くの宿場町があり、歩き旅の記録や地図、宿泊施設などの情報も豊富に見つかります。
歴史を感じながら長い道のりを少しずつ進んでいく、そんな旅に出かけてみてはいかがでしょうか。
東海道五十三次を歩いてみる
旧東海道は、江戸の日本橋と京都の三条大橋を結んでいた街道です。
その道中には五十三の宿場が置かれ、現在でも宿場町の面影や一里塚、松並木、道標などが残されている場所があります。
宿場町ごとに異なる歴史や街並みを楽しめるほか、川や峠を越えたり、海沿いの道を歩いたりと、区間によって風景も変わります。
浮世絵に描かれた場所や、歴史上の出来事に関係する土地を実際に訪れると、教科書や資料で知っていた街道が、身近なものとして感じられるかもしれません。
すべての区間を歩くのは大変ですが、まずは興味のある宿場町や、歩きやすそうな区間から始めてみるのもよいでしょう。
歩き旅の情報が豊富にある
旧東海道は、長い歴史があり、実際に街道を歩いている人も多いため、事前に調べられる情報が豊富です。
街道の地図や道順を紹介する書籍、区間ごとの歩行記録、宿場町の見どころをまとめたウェブサイトなど、さまざまな資料を見つけることができます。
実際に歩いた人の記録を参考にすれば、道の状態や所要時間、途中で立ち寄れる場所なども把握しやすくなります。
当サイトでも、かつて私が歩いた道のりの「東海道五十三次ルートマップ」を公開しています。
また、旧東海道には宿場町の周辺に鉄道駅や宿泊施設が多く、区間を分けて歩く際に宿を探しやすいことも魅力です。
初めて旧街道を歩く場合でも、こうした情報を活用すれば、歩く区間や日程を具体的に考えやすくなります。
区間を分けて少しずつ歩く
旧東海道は日本橋から京都まで続く長い道のりです。
一度にすべてを歩こうとするのではなく、何度かに分けて進めていく方法が現実的です。
例えば、ひとつの宿場町から次の宿場町までを歩いたり、駅からアクセスしやすい区間を選んだりすれば、日帰りでも楽しめます。
複数の宿場町をまとめて歩く場合は、途中で宿泊しながら進むこともできます。
宿泊する場所を先に決めておけば、そこまでの距離を基準に一日の行程を組み立てられます。
鉄道やバスを利用して歩き始める場所まで移動したり、歩き終えた場所から帰宅したりできる区間もあります。
公共交通機関と組み合わせることで、無理なく続けやすくなるでしょう。
歩いた区間を記録しておけば、次に訪れるときはその続きから再開できます。
少しずつ距離を重ねていくことも、街道歩きならではの楽しみです。
昔の道と現在の街並みを楽しむ
旧街道は、当時の姿がそのまま残っているわけではありません。
戦災でなくなってしまったり、道路が拡幅されていたり、住宅や商業施設が建ち並んでいたりと、昔の面影がほとんど見られない場所もあります。
一方で、道標や古い建物、松並木などが残されている場所もあり、区間によって街道の表情はさまざまです。
古い地図や現在の地図を見比べながら歩くと、かつての道筋がどこを通っていたのか、現在の道路や街並みにどのように引き継がれているのかを考えることができます。
また、宿場町の資料館や寺社、地域の史跡などに立ち寄れば、街道が地域の暮らしや歴史にどのように関わってきたのかも知ることができるでしょう。
有名な史跡だけを目指すのではなく、道中の何気ない風景にも目を向けてみたいところです。
無理のない歩き旅にする
街道歩きでは、長い距離を歩くことになります。
地図上では短く見える区間でも、実際には坂道や峠、歩道の狭い道路などがあり、想像以上に時間や体力を使うことがあります。
歩く距離だけでなく、途中の休憩場所や食事のできる場所、公共交通機関で離脱できる場所なども確認しておくと安心です。
また、季節や天候によっても歩きやすさは変わります。
暑い時期や寒い時期、雨の日などは無理をせず、歩く距離を短くしたり、別の日に変更したりすることも考えましょう。
旧東海道には歩き旅の情報が多くありますが、道の状況や施設の営業状況は変わることもあります。
古い記録だけに頼らず、出発前には最新の情報を確認しておきたいところです。
道のりを重ねていく楽しみ
旧街道歩き旅は、一度訪れて終わりにする必要はありません。
前回歩いた場所から続きを歩き、少しずつ京都を目指していく。
そうして区間を重ねていくうちに、以前は気付かなかった道沿いの風景や、地域ごとの違いが見えてくることもあります。
旧東海道のように、地図や歩行記録、宿泊施設などの情報が豊富な街道なら、初めての人でも計画を立てやすく、長く楽しめる旅の題材になります。
目的地に到着することだけでなく、そこへ至るまでの道のりそのものを楽しむ。
普段の旅行とは少し違った視点で、昔の街道を自分の足でたどってみてはいかがでしょうか。